ハナは妹のサクラとお母さんといっしょに散歩にいきました。公園についたら、お母さんは、おばさんとおしゃべりに夢中です。
ハナは乳母車にサクラをのせて、二人だけで公園のなかをあっちこっち散歩して、外に出てしまいました。町を通って、町外れの丘へ……。そのとき、突然、乳母車が動き出して……、そこから予想もしない冒険の旅が始まりました。びっくり、どきどき、わくわくの冒険から、ハナとサクラは、どうやってお母さんのところへ戻ってきたでしょう
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この作品は2002年ボローニャ国際絵本原画展入賞の『だったらいいな』の、続編に当たります。ハナとサクラは、あのときより、少しだけ大きくなって登場します。妹のサクラに、ちょっぴりジェラシーを感じているハナ。お姉さんという立場は、ほめられてうれしいこともあるけれど、我慢しなければならないことのほうが多いから。そんな、ハナの心の中を、お母さんはなかなか気がついてくれなくて、ちょっとだけすれ違うこともあります。でも、ハナのバイタリティーは、そんなくったくを吹っ飛ばして、大きく飛躍します。そして、最後は、ハナもサクラもお母さんも、そして読者も幸せに包まれて終わります。 |
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◇作者から◇
私には、少し年の離れた姉がふたりいます。姉たちが友人と遊ぶとき、幼すぎる私は、とても足手まといだったようです。あるとき、古い書棚から、姉の子供の頃の日記が出てきました。「○月○日、きょう、いもうとが私のおへそをかんだ」と、ありました。きっと私は、精いっぱいの自己主張をしたんだと思います。「もっと、遊んで! 遊んで! わたしをかまってよ」って。
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